11月14日、18時30分よりコミュニティビル、永田町GRIDで次世代マーケティングプラットフォーム研究会(NMPLAB)5周年総会が開催されました。テーマは「SDGsを推進するマーケティングのイノベーションとDX:デジタルトランスフォーメーション」 。
2015年からプロボノで運営委員をつとめる上瀧は、 今回初のスポンサー枠をいただき、 共同ピーアール PR総研として 参加。長丁場、7歳の息子も最後まで同席し、皆さまに温かくお付き合いいただきました。
Marketing 3.0とおにぎりの地殻変動
前半は、早稲田大学大学院 経営管理研究科教授 川上智子氏が、マーケティング発展の歴史をたどりながら、コトラーのソーシャルマーケティングについて解説。2010年、マーケティングにおいて初めて価値観に踏み込んだ「Marketing 3.0」の衝撃に触れ、営利企業と利潤追求とのバランスが可能になってきた最新動向を紹介しました。
その日本ならではの事例として、 『おにぎりアクション』を紹介。 TABLE FOR TWO Internationalチーフ・マーケティング・オフィサー、大宮千絵氏が、 非営利法人(NPO)として企業、個人を多層的に巻き込みながら、世界の貧困を解決する『おにぎりアクション』の歩みを紹介。試行錯誤の結果、「コミュニケーション成功の秘訣は、シンプルで何これ、WOW、ストーリーの3つ」と語りました。
日本にはCDOがいないじゃないか
後半では、日本のチーフデジタルオフィサー(CDO)不足と成長について、 世界初のデジタル分野の経営陣コミュニティ 「CDO Club Japan」代表理事 加茂純氏が説明。 2011年にニューヨークで発足したCDO Clubを、加茂氏が日本にもってくる交渉を始めた2016年には「日本にはCDOがいないじゃないか」とまさかのNG。ようやく許可された 2017年には「最初のCDOはたった3人だった」という苦労も。現在、アメリカで8000名、ヨーロッパで4000名に上るCDOは、日本ではまだ70名程度にとどまります。
しかしながら日本でも、CDO Clubを挙げた表彰やサミット開催を通じて、CDO育成が進んでいます。加茂氏は、経営レベルでデジタルトランスフォーメーションを推進する事例として、ブリジストン、損保ジャパン、味の素などを紹介。さらには海外における政府のデジタル活用事例として、交通安全などをめぐる高度な社会課題の解決が議論されました。
あわせて、日本で最初の「Japan CDO of The Year 2017」を受賞者であり、早くもCDOを卒業した長瀬次英氏(柴田陽子事務所CSO、BORDERS at BALCONY CEO)が“なぜデジタル組織をつくること自体がナンセンスか”をつぶさに解説。社員がデジタル活用によりお客様とどう接するべきかを、デジタルを意識する必要がなくなるまで、社内に浸透させことの必要性を力説。文化を変えるための、啓蒙と実践の経験談を共有しました。
デジタルの力とボランティア
パネルディスカッションでは、徳力基彦氏がモデレーターに。デジタルトランスフォーメーションにおける創業ストーリーの大切さ、マスマーケティングのマインドセット変革の必要性、メディアと共感の力を議論しました。
さらには、NPO発のおにぎりアクション苦労の過程で明らかになった、“日本人がボランティアに心の距離をおく理由”も議論。「日本では慈善事業を聖人の仕事とみなし敬遠する風潮があるから」「子どもの頃から慣れていないから」といった見解が出ました。
また、デジタルトランスフォーメーションを妨げるのは①経営者のリテラシー不足、CDO不足、②情報を司るCIOと、組織横断的にお客様への接点を司るCDOの乖離、③中堅層の反抗、といった指摘がありました。
ここでスポンサーとして、同研究会の主宰、エバーパークLLC代表の江端浩人氏が登壇。同社パートナーの足立浩俊氏、中村大亮氏、案野裕行氏とともに、ビジネス、デジタル・IT、マーケティングの3スキルを持ち合わせるCDOの必要性をシェアリングサービスを紹介しました。
PRもイノベーション
最後に初の協賛として上瀧から、共同ピーアール PR総研におけるイノベーション事例を紹介。企業の枠を超えた市民ジャーナリストとして、フィリップ・コトラー氏、川上智子氏らが登壇するワールドマーケティングサミットの取材を実施。個人で発信しながら自社コンテンツマーケティングを展開する、ソーシャルマーケティングの取り組みを説明しました。
加えてデジタルトランスフォーメーション支援に関して、デジタルマーケティングに特化したオンライン学習プラットフォーム『デジマナ』を紹介。
『デジマナ』
https://digi-mana.com/
そして10月10日に立ち上げた社員ブログ『ピーアール・エバー』を紹介。
『広報支援~PR ever(ピーアール・エバー)』
https://www.kyodo-pr.co.jp/column/
そのコンテンツ発信のきっかけでもあり、今回の5周年総会の起爆剤となった、上述のワールドマーケティングサミット記事13本リストも配布しました。
bit.ly/kyodoprri_prever
以後の懇親会を含め、熱い提言、活発なディスカッション、和やかなネットワーキングと充実の夜でした。
貴重な機会をいただいた皆さま、大変ありがとうございました。