グローバルブランドのPRマネジメントにおいて、アジア太平洋(APAC)を独立した地域区分にする企業が少なくありません。そして、日本はAPACに属する市場に位置づけられます。その場合、APAC本社は英語が日常語のオーストラリア、シンガポールあたりが主流。ひとつの地域とはいえ多様性に富んだ、日本を含むAPACにおけるPRトレンドを見てみましょう。
政治とビジネスそれぞれのコミュニケーション
今年の自民党の総裁選では、昨年に引き続き「説明能力」が焦点となりました。そして誕生した岸田内閣が強調するのは「聞く力」。 先に開かれた、IABC(国際ビジネスコミュニケーター協会)のAPAC地域本部支援による政府サミット「戦略的コミュニケーションー政府におけるリーダーシップ (Strategic Communication Leadership in Government Summit) 」 では、人間中心に立脚した公共部門のコミュニケーション戦略のわかりやすさ、身近さ、一貫性を問う議論が繰り広げられました。
一方、企業経営の観点で地域差が出るのは、財務発表における事例です。上場しているグローバル企業は、四半期決算ごとに全社業績と連動した地域業績トレンドとともに、主要顧客を発表します。 企業において顧客事例は、次の需要を生む重要なPR項目。よって日本からも発表可能な事例を本社に報告し、公開資料に入れるようノミネートします。
「自国ブランド」が日本とオーストラリアの共通点
ここで面白いのは、オーストラリアと日本ともに、自国独自のブランドへの信頼度が極めて高い点です。それぞれ、自分の国で聞きなれた企業名は受け入れられやすいのは全国共通ですが、この2つの市場ではそうした企業の国外知名度が総体的に低いこともままあります。「誰でも知っている企業」がまったく異なるのです。だからこそ、グローバル発表のAPACハイライトの中には、オーストラリア企業と日本企業両方を入れると、いい塩梅に異論がなくなる、といったトレンドが垣間見えます。
たとえ身内で意見がまとまりそうでも、社会全体や地域との対話がなければコミュニケーションは成立しない。逆もしかりで、世界や地域標準のおしつけではなく、自分たちの価値観や自発的な世論との調和が大切。これが、官と民、日本とオーストラリアに共通するPRの指針といえるでしょう。
コロナ下で伸びる企業、伸ばすリーダーシップ
デル・テクノロジーズが発表、 約1,500社の国内中堅企業を対象にした、「IT投資動向調査」最新版によると、DXによる事業変革に取り組んだ企業の約52%が業績回復の傾向にあることが明らかになっています。「事業変革」「営業変革」「働き方改革」の3つのDXを積極的に推進する企業ほど迅速に業績を回復しているのです。
VeeamのAPJ(アジア太平洋および日本)地域シニアバイスプレジデントのシヴァ・ピレイ(Shiva Pillay)氏は、長引くコロナ下のリーダーシップ成功のポイントは「成長」「生産性」「個性」「シンプルさ」の4つと指摘しています。不確実な状況だからこそ、ビジネスを成長させる機会創出、柔軟な働き方による従業員の支援、モチベーション(やる気)の促進、わかりやすいメッセージが必要なのです。
社会課題解決のためのわかりやすいメッセージを共鳴させるために共同ピーアールは、俯瞰する鳥の目、詳細な虫の目、流れを捉える魚の目を持ち、顧客の課題解決を支援しています。
参考記事:
デル・テクノロジーズ、約1,500社の国内中堅企業を対象にした 「IT投資動向調査」の最新結果と新たな支援施策を発表(プレスリリース)
「成長」「生産性」「個性」「シンプルさ」が肝、人間らしいリーダーシップ:オルタナティブ・ブログ