21世紀になってもう20年も経ちました。PR会社という動きのはげしい業界で、ふだんは強気、前向き、楽観的なわたしですが、このご時世の新型コロナウイルス(COVID-19)の勢いは“気合”では止められず…、つい弱気になりがち。
身近なところでは、ようやく形になる寸前だったプロジェクトの見直しを余儀なくされ、涙を流して悔しがりました。でも大丈夫、決してあきらめませんから。
こんな今だからこそ、日経BP社、日経xwoman Terraceアンバサダーとして見つけた記事、取材で聞いた明言をご紹介します。
判断力のアップデート
この10年、進む少子高齢化、たび重なる天災など未曾有の事態に直面している日本。今もまさに、新型コロナウイルスという未知の脅威と戦っています。台湾やシンガポールの成功を耳にする一方で、身の周りではまだまだ、前時代的な思考パターンから抜け出せず、納得しない判断を鵜呑みにしているケールが多いように思います。“今世紀的な組織判断”からアップデートできていないのでは。
そう自問自答し、今必要な判断力やリーダーシップを再考するうえで、昭和女子大学理事長・総長 坂東眞理子氏の『21世紀型組織は「フェイルファスト」であれ (下)「共感できる目標」を持つ組織には周りにサポートの輪が広がる』が参考になります。
詳細は本文をお読みいただくとして、以下に要点をご紹介します。
・「組織における強み」の変化
20世紀型の「予算」「有能な人材」「規模」「権限」から
⇓
21世紀型の「目標」「共感」「評判」「情報」へ
・「働き方」と「成長」の変化
20世紀型の「固定人材・フルタイム労働」「成功の方程式に従う」「インプット(資源)にアウトカム(成果)が比例する」から
⇓
21世紀型の「流動的人材・テンポラリー労働」「自分の選択と裁量」「少ないインプットと明確なアウトカムの試行錯誤」へ
COVID-19対策の場合
では、組織のリーダーだけでなく、例えば子育てや介護という家庭のリーダーとしても、喫緊(きっきん)の新型コロナウイルス対策ではどういった判断力が必要でしょうか?
その基準はまず、活動を自粛するにしろ決行するにしろ、かっこたる「情報」の上に「目的・目標」を示し、そこに「共感」を生むことではないでしょうか。その軸さえブレなければ、評判は後からついてきます。
また、遠隔業務(リモートワーク)の推進により人材の活躍を推進し、ITやクラウドサービス、テクノロジーの活用により、少ない資源による成果創出を可能にできるでしょう。
リーダーシップの再定義
こうした取り組みは、決して既存の大規模な組織のリーダーだけでなく、自分のプロジェクトやグループといった小規模なもののとりまとめ役から始められることだと思います。
そして目の前の新型コロナウイルスに対して、「自分(達)が感染しなければいい」ではない。それはあくまでも基本のキ、です。
人間として、感染した人の治療や、感染の疑いがある人への偏見や差別の撤廃、不安や風評被害の除去への協力こそが必要なのだと思います。
つまり、リーダーという肩書を持つ人にただ従うのではなく、ひとりひとりが心の中のリーダーシップをもって、人生の大目的や、そのための目標に向かうことが大切。
それが、リーダーシップの捉え方を変えること(リフレーミング)にもなり、考え方や組織そのものの刷新(バージョンアップ)につながるのではないでしょうか。
誰もがお手本
肩書だけのリーダーが、無理やりに組織全体を抑え込む時代は終わっています。
先代から学びつつ、同世代や、次世代から学び続けなければ、これからの変化を楽しめる、生き残れる人、組織にはならない。つまり、個人であっても企業であっても、前も、横も、後ろも見ながら進む方向を判断しなければいけない。
先日、多様性と共生、革新について取材した東レ経営研究所 ダイバーシティ&ワークバランス推進部チーフコンサルタント、ファザーリング・ジャパン理事 塚越学氏はこう言いました。
「だれもがお手本。会った人だれもが、ロールモデルにも、パーツモデルにも、反面教師にもなる」
それは新型コロナウイルス対策においてもそうでしょう。
炎上しないか、自分がどう批判されるかといった受け身な見方では不十分。
客観的な感染情報、専門家の意見、他社の判断などを手本にしながら、主体的に自社、自らの目的・目標に沿った判断をしていきましょう。
人生の主役は自分です。悲観せずに進みましょう。