秋たけなわの早10月、 多くの企業でイベント月間です。コロナに伴うオンライン活用の広がりによって、さまざまな企業が生き残りをかけてデジタル変革(DX)によるより良い顧客体験、いわゆるカスタマーエクスペリエンス(CX )の向上に努めています。ニューノーマルに向けたPR視点から、マーケティングとキャリア構築の最新トレンドを読み解きましょう。
あなたのカスタマーは誰?新しいキャリアパスの作り方
お客様を「カスタマー」は、ところ変われば品変わります。政治や役所であれば国民、ECサイトやコンタクトセンターであれば消費者、総務や人事であれば従業員、IRであれば投資家ならびにNGOやアクティビスト、そしてNPOであればボランティアメンバーやスポンサー企業など。もしかしたら家族同士も互いにカスタマーかもしれません。
経営や組織運営とマーケティングをうまく回すために、顧客中心のCXが求められていると言えるでしょう。
さて、パンデミックによって何がどこにおけるノーマルなのか、世界共通の答えが見いだせない今。日本でも終身雇用が約束されなくなり「プロティアン・キャリア」つまり自律した人材になるには主体的なキャリア形成が必要だと、タナケンこと法政大学キャリアデザイン学部教授の田中研之輔氏は日経xwoman doorsオンラインイベントにて述べています。
プロティアン・キャリア協会によるとプロティアンという言葉の語源は、ギリシャ神話の神として火にもなり、水にもなり、時に獣にもなりと環境により変幻自在に姿を変えるプロテウス。同協会は、環境の変化に応じて変幻自在に姿を変え、組織に捉われずに自らのキャリアを戦略的に主体的に考える時代の考え方を「プロティアン・キャリア」と定義しています。
同協会の代表者でもある田中氏曰く、「今いる組織に感謝し、貢献できることは何かを考えながら、さらに個人それぞれが、社外での挑戦や成長を続けていく。それが、自分らしいキャリアをつくるための重要なポイント」。
その実現のために必要なのは「キャリアトランスフォーメーション」。その頭文字から、もうひとつのCXといえるでしょう。このキャリア文脈のCXにより、これまでの価値観を脱構築して、新しいキャリアの考え方を身につけることができる。そのためにまずは1日30分から、挑戦したり成長したりするための前向きな時間を持つことが推奨されています。
キャリアCXにおいては「関わっている人や組織もより良くなるにはどうすればいいのか」を考えた上で、自分のキャリア形成と向き合うことが大切」です。なぜなら「自分がビジネスパーソンとして、武器(スキルや経験)を磨き続けることは、所属している組織の競争力と共創力を向上させることにつながる」からです。「給料を出してくれる企業や、チームで仕事をさせてくれる組織に対して、感謝の気持ちを持つことは大切」と田中氏は説きます。
マルチタスクの次へ
一人が何種類ものカスタマー、そして何役もの立場を持つ今日。目の前のことだけで不満を覚えたり怒りにつながったりすることがあるかもしれません。そうした課題の解決の糸口を示し、前に進む力を共鳴させ相乗効果を生むのが、ファクトに基づき共感で組織運営を推進するPRの役割です。
企業はテクノロジーとデータでPRを強化することでデジタルマーケティングを促進し、新たな顧客体験とキャリアパスを生んで、さらなる成長を実現します。これにより、 社会と相乗効果を生み社会貢献する企業が、BtoB、BtoCといった従来の事業領域を超えて持続性を達成できるのです。
増えるツール、メディア、手法への対応から一歩進んで、 そこから得られるインサイト(洞察)を経営と人材育成に活かすこと。そしてそれをステークホルダー、つまり自社内外の社会に伝えるPRが、SDGsの達成、ESG投資といった企業生き残りのための地道な自助努力につながるのです。
共同ピーアールは、情熱と創造性で100年のコミュニケーションをつなぐ活動を紡ぎ続けています。
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