コロナ禍を避けるリモートワークの拡大が始まって早1年。 ビジネスにはZoomをはじめとする動画コミュニケーションが浸透。またソーシャルオーディオアプリのClubhouseでは、声で人と人がつながっています。まだまだ対面が難しい企業PRにおける、「声」の使い方のポイントを考えます。
司会はゆっくり、ブレストはメリハリ
司会やナレーションなど一方的な声になる場合、 とくに姿が見えない場合はなおさら、言葉が聞き取りやすいよう一語一語をはっきり、ゆっくり話す必要があります。事前に原稿を作り、 タイムキーパー役に同席してもらい、 進行を確認しながら話をするとよいでしょう。
発表者のプレゼンテーションは、スライドなどを使って情報を視覚化し、耳から入る声と、目に見える文字やチャート、動画などが結びつきやすいように構成します。スライドは文字量が多くなりすぎないよう、目が上から下、左から右に流れるようにデザインし、目線を誘導するように話をします。
会議でも声の使い方が重要です。 情報共有や連絡が目的の会議では、話者の話が中心です。 リモートワークで他拠点を結ぶ会議では、話者以外はミュートにしてノイズを無くします。アプリはデフォルトがミュートでない場合が多いので、会議に入る瞬間に騒音を持ち込まないように、 アプリ設定 参加する環境の双方を確認しましょう。
同じリモート会議でも、議論や意見出し(ブレインストーミング、略してブレスト)の場合は、話し相手の気分やテンションに合うように発言しながら、声を引きだすことが大切です。例えば、意見が多いタイプの人が集まる場合には、手短にテンポよく合いの手を入れて盛り上げると、満足度が上がるでしょう。会話が少ないタイプの人が集まる場合には、参加者が考える時間を作れるように、ゆっくりと例え話や背景を話しながら、発言を促すと一体感が生まれます。
取材通訳の段取り、質問を促すコツ
海外拠点と話をする場合は、日本語が言葉の壁になることもあります。そこで日本のメディア向けの記者会見や取材では、必要な限り必ず通訳を入れます。
そして会見や取材の開催事前に、発表者と通訳さんとともに、内容とタイミングのすり合わせをする段取りが肝要です。通訳さんが言葉を漏らさないよう、発表者にはゆっくりと短く話すように練習してもらいます。同席する司会は、上述のとおりゆっくり話し、参加者が落ち着けるように気を配ると良いでしょう。
複数のメディアが参加する会見では、発表者のプレゼンテーションの後に質疑応答がないと、シーンとしたまま終わってしまいます。せっかくの発表、晴れの場の温度を下げないよう、上記のブレストでいうと会話が少ないタイプの人の場合のように、質問を促す場づくりも有効でしょう。
以上のとおり、声になる場面や立場は様々です。いずれの場合も、自信がないときは、声が小さく、語尾が消えがちになります。話の内容に自信が持てるよう、原稿準備と発話の練習をしましょう。お腹に力を入れて、力強く、ゆったりと話をすると、聞き手は自然と安心します。 PRシーンで伝えたいメッセージが届くよう、声を上手に使いましょう。