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クーデターと戦うミャンマー、森氏発言に揺れる日本 ~ Clubhouseに集まる声

昨年コロナとともに対面からZoomに移ったコミュニケーションは、いっきに音声アプリClubhouseに流れはじめました。2011年に着想されたこのソーシャルメディアは、多様な人を受け入れ、同じ痛みや思いを共有できる「安全な場」として急成長。米国1月24日のサービス告知から日本でも、短期間で利用開始する人が続出しています。世界がつながるこの音声プラットフォームと、国の明暗を分ける角界の動きに注目です。

ミャンマーのクーデータと森氏発言の対比

先週2月1日には、ミャンマーでクーデターが発生しました。昨年来のコロナ禍で露呈した病院インフラの脆弱さ、ラカイン州のロックダウン失敗、毎日1千人以上の感染者を数えるクラスター感染による不安要素の高まりなどを背景に、昨年11月の総選挙の結果、軍が惨敗。これに不服な軍は、国会が召集される2月1日、国家権力の掌握と、今後1年間にわたる非常事態を宣言したのです。

その数時間前には、国軍がアウン・サン・スーチー氏ら複数の政治家を拘束。ミャンマー最大都市ヤンゴンでは、民主化の象徴、アウン・サン・スーチー氏の拘束と政権奪取に対し、市民が独裁政治への抵抗を示す3本指のサインを掲げ、町をあげて静かに抵抗を示しています。

ほぼ時を同じく2月3日、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会の場で、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言。翌日の謝罪会見が追い打ちをかける形で、世界中から非難を浴びています。

民衆の心を女性トップが束ねるミャンマーと、スポーツ界トップの女性蔑視発言で東京五輪・パラリンピック大会開催への求心力を失う日本。対照的な出来事をどう捉えたらよいのでしょう。

ミャンマーで女性を対象にした金融事業(マイクロファイナンス)を営む日系企業MJI Enterpriseでは、顧客が時に1日100人を超えます。農村に住む零細事業者、BOP層(ベース・オブ・ピラミッド、低所得者層)が主な顧客のMJIでは、融資や返済のために女性が集まり、意見を言い、時には相談をしたりして共に時間を過ごすのです。

CEO 加藤侑子氏は、森氏の発言について、「根底にあったのは根拠の乏しい思い込みか、女性への競争意識では」と指摘します。「もし森氏の発言通りに女性の話が長いのであれば、我々の仕事は夜中になっても終わらない。現実は、誰もがルールを理解し、お互いを尊重する。ミャンマーでも、女性が競い合って男性だけの会合の倍に時間がかかるような状態は想像できません」と断言。加えて「現在、MJI従業員の男女比率は4対6ほどで女性が多いが、女性比率が低かった時と比べて会議の時間が長引いていることもありません」と明言します。

MJIのようなマイクロファイナンス事業では「経済的利益」と「社会的目標」を両立させるダブルボトムラインが求められます。民主主義の名のもとに政治家の暴言が駆け巡る日本と、無言の抵抗で民主主義奪回を目指すミャンマー。この対比を見ると、日本に欠けているのは人の心を育む社会的目標ではないでしょうか。

クラブハウスに集まる声

さてClubhouseでは、広報、広告、PR、マーケティング、 メディアなどそれぞれのテーマで、業界や世界を変えようとする有志たちが集まっています。たった一つのチャンネルが、世界のつながり方をあっという間に変える、とても面白い現象です。少数者、マイノリティーとされる人たちの声は取り上げられることが少ない。それは女性、外国人、障害者など分かりやすい分類だけではなく、違う見解、背景、立場に属する層など、千差万別です。そして互いに分かりあえる共通項は、人間性。Clubhouseにさまざまな声が集まるのは、こうした人間の違いと共通点を包み込むプラットフォームを形作っているからでしょう。

偏見や分断を超えようとする心ある取り組みが大きなうねりとなるよう、共同ピーアールはコミュニケーションによる事業強化と社会的価値実現の両立を推進しています。

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