企業でも社会でも、子どもから大人まで、さまざまなSDGsメッセージの中でもっとも目立つのは環境トピックです。地球の存続とあらゆる生活に影響を及ぼす自然環境。お台場のBMW GROUP Tokyo Bayで開催された通称 若者のダボス会議ワン・ヤング・ワールド(OYW)の「Tokyo Caucus 2020」では、 世界中からオンライン参加する学生に向け、環境を包括的に捉えました。PR会社の視点を持つPR総研から取材レポートです。
心と身体、資源もインクルージョン
司会進行のGlobal Perspectives共同創業者 ギャヴィン・ディクション氏は日本コカ·コーラ株式会社 代表取締役社長ホルヘ・ガルドゥニョ氏を引用。心と身体のリフレッシュメントや、インクルージョンに資源、コミュニティを取り入れる包括的な環境アプローチを紹介しました。大切なのはプロセスや製品以上に人、企業は地域と協力してより大きなインパクトを生み出せると訴えました。
パネルディスカッションに先立ち、日本コカ·コーラ株式会社 広報・パブリックアフェアーズ&サステナビリティ本部副社長・田中 美代子氏が登壇。創業134年のコカ・コーラの歩み、世界をリフレッシュして変化を起こすよう、様々な関係者を巻きこみながら環境負荷を軽減する活動を紹介しました。
パネルディスカッションは、日本コカ·コーラ 田中氏に加えユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング・ダイレクター 中川 晋太郎氏、MS&ADインシュアランスグループホールディングス 総合企画部サステナビリティ推進室課長 浦嶋 裕子氏、株式会社TBM コーポレート・コミュニケーション本部 サスティナビリティ・アクセラレーター 羽鳥 徳郎氏、それにファシリテーターとしてGlobal Perspectivesディクション氏が登壇しました。
環境への取り組みはリスクマネジメント
ユニリーバ中川氏はオンライン参加。ヘアケアから食品まで幅広い商材を扱うユニリーバにおいて、顧客とつながりを強化し、ビジネスにより社会貢献を実践する取り組みを解説しました。MS&AD 浦嶋氏は、サステナビリティを統括する立場としてさまざまな関係者とのコミュニケーションを重視。調査研究の経験を活かして環境持続性の課題に訴求しています。TBM 羽鳥氏は、スタートアップから働きかけるリソース配分最適化のため、資源のライフサイクルを精査し、サステナビリティを促進するアクセラレーターを務めます。
環境問題が災害を生む負の連鎖を止めるための取り組みとして、MS&ADでは日常業務およびビジネス戦略プロセスの両面から環境変化を最小化する研究を推進。「環境への取り組み、そのコミュニケーションはリスク管理」と述べます。ユニリーバではその幅広い業態それぞれにおいて、環境対策の効果を上げながら業界全体をけん引、それがムーブメントを作ると話します。
TBMでは、石灰石を原材料とするLIMEX素材により水資源を保全、製品開発を通した環境保護を実践。また、インターンシップ生など外部、若者の視点を取り入れながら、社内全体が環境志向になるための文化を醸成することの大切さを述べました。
飲料容器の軽量化による環境保護を先駆けるコカ・コーラを含め、あらゆるビジネスの根底で環境への取り組みが土台となっているのです。
ビジネスと環境は、鶏と卵
地球全体におよぶ環境問題。一方で、日本ならではの特性もあります。日本コカ・コーラの田中氏は、「家庭でペットボトルのラベルをはがし、洗って、リサイクルする。日本で当たり前のことがグローバルでは”えっ、一般家庭でこんなにきれいにペットボトルをリサイクルするのか、信じられない!”という反応」と述べ、世界に誇れる日本の消費者行動に光を当てました。
一方、「とはいえ、まだまだリサイクルボックスにペットボトル以外のゴミが入っているのが現状。40%の人が、リサイクルボックスをゴミ箱と思っている」と指摘。「リサイクルボックスに入れてよいのはペットボトルだけ」と理解促進を求めました。
ユニリーバ 中川氏は、「ビジネスと環境は、鶏と卵の関係。事業に責任を持つことが、ポジティブなループを生む」と断言。MS&AD中川氏は「環境のための専門部署が必要なわけではない。気候変動、天然資源、すべてが環境リスク。想像力を働かせて声を上げよう」と提唱。
これから就職する学生へのメッセージとしてコカ・コーラ田中氏は「コカ・コーラではビジネスを通して世界規模で環境に貢献できる。一方で、個人の消費行動を通しても、環境保全は推進できる」「自分にとってのサステナビリティアジェンダを追求して」と呼びかけました。
TBM 羽鳥氏は「LIMEXを検索してください。アツい人材を絶賛募集中です」と笑顔でアピール。
一同、次世代のサステナブルなリーダーに声援を送りました。
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