2007年に大学を卒業後社会人となり早12年、今年で35歳になりました。共同ピーアールに中途入社し、PR業界、PR業務に従事して7年目になります。私自身の体験から、PR会社の働き方ややりがいを紹介したいと思います。
転職して経験を積むステップ
私は新卒としてスポーツマネージメント会社に入社し、その後企業の販売促進にかかわる代理店を経て、2013年に当社に入社しました。今までのキャリアを通して、広い意味で「プロモーション」に関わる業務を経験してきましたが、PR業はかなり特殊だと感じています。その一番の理由は、提供するサービスや品質の大部分が「人」に依るものだからです。そしてそれが、面白さでもあり難しさであると感じています。
入社直後は、飲食店や家電など比較的生活に近いサービス・製品を扱うクライアントを担当していました。しかしある日、新たに外資系IT企業を担当することになりました。 もちろん上司と一緒のチームの一員として参加したものの、当時は自分にIT分野の経験が不足していたため、不安でした。
まず困ったのが 、クライアントとの打合せの内容がわかりづらい。それに、 クライアントが発表を予定している情報にニュース価値があるのか、どのような要素が足りないかという相談に、即答できない。こうしたことが多々あり、打合せでは上司の意見を聞くだけで、発言できずに悶々とする日が続きました。
ニュースが出るか出ないか
その時に痛切に感じたのが、 PRのプロフェッショナルとしてクライントから受注している以上、 どの情報がメディアにとって有益なのか、ニュースが出るか出ないかを判断できないと、戦力にならないということでした。 ニュース価値の判断はもちろん、意見すらできないと相談もされない。ましてや信頼関係を築くことはできないのだ、と呆然としたのをよく覚えています。
経験を積むにつれ、こうした情報の価値判断が徐々にできるようになりました。今ではその見極め自体が、PR会社で働く醍醐味になっています。 時には、クライアント企業のトップや経営陣から、意見を求められることもある。それに答えることで、自分の存在を直接感謝されることもあります。 これは、過去在籍していた2社では経験できなかったことです。
こうしてクライアントの要望や課題を直接聞きながら、日々業務にあたれることが、私にとって良い刺激となっています。 貴重ですし、良い意味で緊張感を持って仕事ができる理由だと思っています。
結婚と子どもの誕生
PRパーソンとしての経験を積み、担当する業務や領域が増える中で、結婚して子どもが誕生し、ライフステージが変わってきました。だからこそ、仕事の仕方も変えていく、 時間をより効率的に使うことを意識するようになりました。
PRでは、情報収集、提案資料やプレスリリースの作成など、一定の時間を必要とする業務があります。ですが、時間をかければ良いものができるという訳ではありません。 そこで日々、試行錯誤しながら進め方を改善しています。
例えば、プレスリリースを書くのであれば、手戻りを防ぐように、最初にクライアントからしっかりとヒアリングをする。また、上司から頼まれた資料作成であれば、最終的な成果物のイメージをしっかり事前に確認してから、作業を開始する。当たり前といえば当たり前ですが、こうしてアウトプットイメージを確認して着手することで、求められていたものと違うといった時間のロスがなくなります。結果、仕事のスピードが変わります。
そして、業務時間とプライベートの切り分けもしっかり意識しています。これは自分の元々の性分でもありますが、業務時間中にやるべきことを終わらせて、できる限り早く家に帰りたい。そして、家に仕事を持ち帰らない。この点は、徹底しています。そのために、優先順位をつけながら仕事をしています。
これには、クライントや協力会社との調整や、信頼関係が重要です。例えば、クライアントへの提出物の納期を現実的な日時に設定する、協力会社への発注業務は余裕を持った納期設定をするなど、周りに迷惑がかからないよう調整して、自身の作業時間を確保します。こうすることで、全体がうまく回ります。
今年は特に、4月からは息子が保育園に入園したことで、生活のリズムが大きく変わりました。登園は自分の役目。朝は息子の朝食、着替え、歯磨き、荷物の準備など、子育てを妻と分担しながら、かなりばたばたしています。時短勤務の妻が、保育園への迎え、夕食やお風呂などをやってくれますが、自分もできる限り19時までには退社します。息子と一緒にお風呂に入れるからです。
個人のライフステージにあった働き方
PR会社というと、毎日毎日残業という多忙な環境をイメージされるかもしれません。その実、早く帰るときは帰ります。私自身だけでなく部署のメンバーも18時や19時には退社しているので、当社は比較的、残業時間は短いと思います。
こうした働き方ができるのも、それぞれのメンバーがクライアントと良好な関係を築いてくれているからこそです。PR会社はクライアントと直接やり取りをしている分、時間やワークライフバランスを自分で管理しやすいのだと思います。
働き方改革が叫ばれる時代、今後も業務環境は変わっていくと思います。だからこそ、さらに個人のライフステージにあった働き方ができればと考えています。