5月は「こどもの日」に「母の日」、6月は「父の日」。ならばそろそろ7月に「自分の日」が制定されてもおかしくないと思いませんか。コロナ元年の今年、自分の娘・息子でもおかしくない年代の新社会人たちと一緒に新しい働き方を模索していると、まさに禍福はあざなえる繩の如し。目の前のことに一喜一憂せずに、自分を大切にしましょう。パパママ世代としてちょっと考えさせられた身近なエピソードを、こっそりお伝えします。*3月17日はそんな「みんなで考えるSDGsの日」です!
夫ショッピングがもたらした衝撃
うちの息子は8歳、頭の中はお花畑。先月父の日を前に、息子の小学校PTAについて、夫婦ふたりで久しぶりに目を見て話し合いました。するとたまたま、夫の大きな買い物が発覚。内心ちょっと動揺し、「浮気」「離婚」このあたりのワードが頭の中でチラチラ…。まぁ、そのことは目の前の議題「PTA」には必ずしも影響なさそうだったので「へー」で終わらせました。
その後、わたしと息子は外出。心置きなく話せる貴重な友人宅へ、お誕生日会に出かけました。いつものようにキッチンでおしゃべり中、ふと思い出して上述の話をすると、「えーっ!」と絶叫の反応。たちまち空気が凍り、「さ、酒なしでその話はちょっと…」と重たい雰囲気に…。 おめでたい日にちょっと浮いた発言をしてしまい、とても申し訳なくなりました。
株式会社OsidOriの「夫婦の家計管理に関する調査」発表 (対象:日本全国25-39歳の既婚・婚約済みの女性、期間:2019年9月17日〜18日、回答数:817人) によると、 共働き世代の半数以上(53%)が「お金の管理は分担制」ですが、「家計を夫婦で一緒に管理できている」は3割未満(25%)。「夫婦喧嘩の1位は『お金』絡み」という回答がトップ、共働き世帯(45%)、専業主婦世帯(41%)を占めます。 回答者が女性限定といった点を差し引いても、お金の話はセンシティブという世相が垣間見えます。
泡沫の感情アナリティクス
翌朝、なんだかもやもやするので、ひとり散歩に出かけました。日経ARIA 勝間和代 『大失恋から奇跡的レジリエンス「コツは分散」』が紹介するレジリエンス論を思い出し、「もしかしたら結婚なんて今日明日で終わってしまうのかもしれない」「変化に耐えられるよう自分の心と向き合おう」と悲観を打ち消すために考え始めました。
勝間氏曰く、なにかおかしいな、と思ったら、メモを取っておくことが大切。なぜなら違和感はトラブルの兆しであり、その記録は遡って学習する一助になるからです。コロナ禍とともに習慣化した散歩コースをぐるぐる歩きながら、「わたしのこの違和感は何だろう」と感情分析を試みます。
夫の買い物のなぞ。わたしと違って大きな出費リスクを取れる夫は、ビジネスセンスがある。家計の管理能力には脱帽。一方で予想外の大きな買い物は、一般的には浮気を疑われる行動、怒りの原因では。
まぁそうでも、受け入れるしかないよね、と冷静を保とうとする自分。穏やかな気候、青々しい緑を愛でながら、落ち着こう、目の前のことに集中しよう、と歩き続けました。
ホラーストーリーが雲散霧消
ふと思い出しました。そうだ、今日は父の日でした。息子にとっては唯一無二の父、わたしにとっては右に同じくの夫なので、まぁともかくギフトを買いに行こう。
「父の日のプレゼント何がいい?」と息子にメールすると、ほどなくして電話があり「ホワイトチョコレート!」との返事。さすが、父親の好みを知っているおのれ、みごと。わたしは足をショッピングモールに向かわせました。
チョコレートは定番のGODIVA。「ほかには…」と先日、夫と息子が母の日に買ってくれたプレゼントを思い出し、同じショップに向かいます。中性的な色合いの小さなサボテンと、ほのかに部屋の香りを整えるルームフレグランスを選びました。
正直言うと、もし夫と別れることになって、彼の持ち物に元妻のモノが主張し過ぎると 、なんだか世界観を壊すようで悪い気がしたのです。
昼前に帰宅し、廊下から息子をこっそり呼び、プレゼントをわたすと、「パパ―っ、父の日いつもありがと~~っ!」と雑に手渡し、ダッシュでゲームに戻る単純さ。わたしは息子に「父の日だから おじいちゃん、おばあちゃんにも電話してよ~」と言い放って、重い気持ちでランチの準備を始めました。
そしてキッチンに来た夫に、念のために、言葉を選んで聞いてみました。
「もしかして新しい家族がいるの?」
なぜなら、夫に他の家庭があれば、PTAどころでない。めずらしく、二日続けて目を見て交わした、夫婦の会話です。
水道の蛇口の前で「ないよ」と仕事のプロジェクト名を繰り返す夫。
いつもながら変わってる人だけど、安定してるな~、と思うわたしは「いちおう聞いといた」と返事。
あっけなく、まるでたんぽぽの綿毛が飛んでいくように、24時間のホラーストーリが終わった瞬間でした。
幸せを小分けに
会社にもパパママ世代は多く、PTAは時おり共通の話題になります。今回我が家は、PTA話をきっかけにいきなり夫婦の危機もどきのジェットコースターを体験しましたが、吐き出してデトックスするとモヤモヤはすっかりどこかへ。「そんな話、外でべらべらしゃべんなよ~」と笑う夫をみてホッとし、なんとかかんとか言って家族でよかった、と胸をなで下ろしました。
勝間氏曰く、年を取るほど、新しいことに挑戦しなくなり、失敗に対する対応力が下がる。だから、できるだけ日常生活で小さな失敗を重ねることが、幸せの秘訣です。そして一つ失敗しても、気持ちや生活が破綻しないように、幸せを10種類ぐらいに「分散」する。その幸せの数が多いほど、失敗を引きずらなくなるのです。
ぜひ、この機に仲間や家族との時間、そしてひとりの時間の両方を大切に、いろんな種類の幸せを増やしていきましょうよ。目の前のひとつひとつの幸せを大切にしましょう!
■ 日経xwomanアンバサダーブログ 「ハラハラドキドキ父の日24時間!」を再構成しました。