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オンライン配信におけるカメラまたはカメラワークについて

筆者はオンライン配信で主にカメラを担当している者です。

思い返せば2020年に始まったコロナ禍で、当社も記者会見やプレスセミナーのオンライン配信業務を開始し、筆者自身もそのとき初めて配信に関わるようになりました。当初、感じたことは、“オンライン配信は生放送のテレビ番組の作り方に考え方が近い”ということ。その後、100本以上のオンライン配信に関わりましたが、この考えは今も変わっていません。
(もう20年も前ですが、筆者は月~金帯の生放送のテレビ番組の制作をやっていました)
ここでは、自分のテレビ番組の経験も踏まえながら、オンライン配信のカメラやカメラワークについてご紹介します。

まずはそもそもの話から——

オンライン配信に使用するカメラは、「PCカメラ」と、PCに接続する「ビデオカメラ」どちらがいいの? ……としばしば聞かれます。
これはもう、ズバリいえば、“どんなスタンスの配信を行うか”によります。こんにちでは、オンライン会議も一般的となり、この文章を読まれている皆さんの中にはご自身で会議を主催する方も多いでしょう。つまり日常のオンライン会議の延長で行うような配信なら、「PCカメラ」で十分かと。参加者も通常の打ち合わせの延長で参加するはずです。
しかし、オンライン会議はパワーポイントや動画の画面共有がメイン。ここで、一歩踏み込み「具体的な商品を見せたい」となれば、PCに接続する「ビデオカメラ」の出番です。

たとえば、何らかの「動きのある商品」を見せることになったとしましょう。事前に撮影した動画を共有して見せる方法がありますが、“生配信の臨場感”を考えた場合、レンズの寄り引きなど、レンズのズームが自由なビデオカメラを用いて、その商品の動きをじっくり見せることが有益です。
今、“生配信の臨場感”なんて書きましたが、これはテレビの生放送の基本でもあります。私が生放送を担当していたとき、先輩ディレクターや同僚とで「収録(録画)ではなく、生放送のメリットは何か」と、よく話し合ったものでした。
ズームもしくは手持ちの寄り引きなどでカメラの動きが必要なときは、ビデオカメラが一番です。

次に出演者の目線からカメラについて——

映像に出演する際、「目線」が重要ということはご存知でしょう。テレビ番組で出演者が視聴者に直接何かを語りかけるとき、必ずカメラ目線となります。これによってテレビの視聴者は(テレビモニターを介しているものの)出演者と顔が向き合うことになり、そのメッセージが直接自分に向けられていると感じることになります。
さてオンライン配信でも、対談形式のようなケースを除けば、多くの場合、視聴者に直接メッセージを伝えることになりますよね。そんなときには、やはりビデオカメラが有益です。三脚でカメラの高さを変えることもできますから、出演者のカメラ目線にカメラの位置を合わせやすい。そしてカメラマンは、話の内容にあわせて出演者の顔に寄るなど、絵作りの工夫を行います。                                                                                                                                                  

いずれにせよ、「ビデオカメラ」は自由度が高く、必要に応じてオンライン配信で活用をするべきでしょう。

ビデオカメラは奥が深く、まだまだお伝えしたいことはありますが、それはまた別の機会に。

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