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英語でもビデオ会議を楽しむコツ

移動が難しいこの新型コロナウイルスのご時世、動画コミュニケーションが一気に増えています。こんなときこそ、「英語はいやだなぁ」から「自分もがんばろう!」と気持ちを切り替えるチャンス。グローバルな仲間と、海外PRを展開するときに役立つ、ビデオ会議のコツをご紹介します。

舞台はアジアへ

1990年代からインターネットが生まれて普及する過程で、こうした初物づくしの企業広報を務めていました。当時から海外IT情報源は、インターネット企業の本社があるアメリカ、シリコンバレーが中心。それからは本社移動でロンドンにレポートしていました。

あれから四半世紀。インターネットは生活はもちろん、人生のいたるところに浸透しています。世界のつながりが密になったこの10年で、グローバル企業の中で日本のPRがレポートする先は、欧米から、より近いアジア太平洋にシフトしてきました。また、アジアで起業したIT企業のPRも増えてきました。

わたしの場合、最近のやりとりの相手は、シンガポール、香港、オーストラリアが中心。英語で地域情報を束ねやすい国に、地域本社が置かれています。ちなみにアジア太平洋地域はAPAC(Asia Pacific)やAPJ ( Asia Pacific Japan ) などと呼ばれます。

これにともない日常話す相手の英語も、いわゆる欧米的なネイティブイングリッシュから、アジアの英語へと変化してきました。個人的なツボは、オーストラリア英語で「データ」(data)は「ダータ」、シンガポール英語の「だよね」が「ラ」あたりです(※人によります)。

グローバルとローカルの仲間

海外本社とやりとりする場合、日本と異なる言語や文化、好みやニーズの幅、時差や国境があるので「日本は違う、こうだ」と説明が必要な場面の連続です。この説明をいかに相手に腹落ちしてもらえるかによって「現地のことは現地がプロ」と任せてもらえるようになります。

これはPR会社もまさにそう。国内外を問わずクライアントと信頼を築ければ、権限委任や承認がスムーズになり、お互い役割分担しあながら同じゴールに向かって走れます。ポイントは、「日本は違う」で終わらずに、なぜ、どう違うから何をしたらよいか、を先回りして伝えることです。これにより、相手に不快や不信な思いを抱かせることなく、早くスムーズに仕事ができます。

また、グローバルスタンダード作りが進んでいる企業では、なにかにつけ「これが本社の型なので使ってください」といったテンプレートや進め方が共有されます。もちろんPRもしかり。 多国展開するビジネスでは、国により異なるプロセスを標準化することで、情報の集約と業務効率化が図れるからです。

たいていの企業は、このローカルとグローバルのやり方を組み合わせてPR活動を進めています。 協力しあう関係なので、一方的に「言うことを聞け~」という高圧的な態度ではあいにくうまく意思疎通ができません。言うまでもなく、新型コロナのような緊張した環境では、いっそうの思いやりが必要。だからこそ、いつも心にとめておきたいのは‟お互いが仲間”と思い合う意識です。

ビデオという武器

どんなチームであれ、新しいメンバーとして初めて加わるのに不安があるのは当たり前。フォーマルな国際会議で日本人ひとりの場合など、ついビビって最初は声が震えます。わたしの場合、緊張すると手も足もガクガク震えるので最悪です。

そこはビデオ会議の場合は、その緊張感がぐっとなくなるので気楽です。といいながらも、入念なシステム確認、リハが絶対におすすめです。世界中の人が時間を作って集まるタイミングに、「画面が共有できない」「発言できない」となると、焦ってパニック。まるで仕事にならないからです。

わたしも数年前、指定された会場に行ってビデオ会議に参加しようとしたら、なんとネットワークが提供されていない!というアクシデントがありました。おまけにわたしのモバイルWi-Fiは、ビルの厚い壁を前に電波ゼロ…。トラブルをどう説明しても「ビデオ会議のリテラシーもないのか」と聞く耳を持たない相手を前に「わたしのキャリアは終わった…」と、恥ずかしさのあまり穴に入りたくなったことがありました…。

ちなみにその後 、その相手とは、なにかあったらすぐ電話する「プロアクティブな関係」に好転。おかげで、災い転じて福をなし、貴重な友ができました。困ったときはビデオ設定にまごまごせずに電話、がおすすめです。そのツールはWhatsAppが一般的です。

スライドは座布団、モデレータは天使

ビデオ会議で情報と意識の共有を図るためには、議題や提案をまとめたスライドなどの資料作りも重要です。とくに初対面の場合は、まずはスライドに沿って話の土台と雰囲気を作ります。こんなときにビデオであれば、たとえ英語が苦手でも、 画面や手元資料を見ながら予習した単語やファクトをもって発言できるので、チャレンジしがいがあるでしょう。

スライドはお座敷の座布団のようなものです。スピーカーとしてまぁ、まずそこに座って、お茶でも飲める態勢を取ります。場が温まってくると、だんだん質問が出てきます。 だから座りやすい座布団、ちょうどよい内容をつめたスライドを作りましょう。

だれかが質問しているサインは、口を開こうとする「はっ」という空気音です。聞き漏らさず、ぜひその人の名前を呼んで「質問ありますか~(Do you have any questions?)」と聞きましょう。活発な質問は、会議という意見や情報交換の場がうまくいっている印です。

公開ウェビナーのように不特定多数に向けてビデオ講座する場合は、いいモデレーターやサポーターに入ってもらうのが成功の秘訣です。わたしもIABC APACのウェビナーでは、前日に副議長と同僚にZoomリハーサルにつきあってもらい、マイクの性能が不十分とわかって急いで新しいヘッドセットを買いにいきました。当日は、ログインして問題ないことを確認したら「飲み物取っていらっしゃいよ」と言っていただいたおかげで、リラックスして楽しみながら講義。ディスカッション型の理想の55分になりました。 ’録画:YouTube スライド:SlideShare

聞き手としても、ぜひビデオ会議の機会に質問や発言しましょう。話している人や会議の進行役は、聞いている人がなにをわかっている、わかっていないかが不明なものです。だからこそ、ささいでも質問は歓迎してもらえます。

一方で、連絡、情報共有が目的の、大人数が参加する会議は 簡潔に短時間がベスト。お互いムダに時間をとらないよう、要点が終わればさっさと解散して30分以内に留めることが多いです。

ゆるいつながりは一杯やりながら

あるいは、互いに元気か確かめあう、緩いつながりのためのビデオミーティングであれば、ランチタイムや夕方の1時間も効果的。APACメンバーとのビデオなら、皆が一杯飲みながら語り合える、日本の夕方7時がよいようです。

世界を取り巻く新型コロナウイルスという未知の環境で、こちらが一生懸命、頑張っていると、誰しもが協力しあおうとしてくれるものです。それは会議の相手が、クライアントであれ同僚であれ、 PRであってもなくても、 志は同じ。動画で顔を見せることで、コミュニケーションの密度が高まり、「英語が苦手」「自分の顔を見たくない」といったネガティブな思いも消えていきます

ぜひビジネス、PRという貴重な機会を成果に、人間関係を豊かにするツールとして、グローバルにビデオを使いこなしましょう

Zoom背景は初夏のクレタでおめかし

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