緑まぶしい気持ちの良い季節。あいにく長引くコロナ禍は辛抱を要しますが、同時にデジタルトランスフォーメーション(DX)が進み、ITの力で社会変容を促進するPRの重要性が増しています。
IT企業、ことに日常の消費者生活との直接的な接点がないビジネス向け(BtoB)のいわゆるエンタープライズITにおいては、一般向け製品/サービスとは異なるPR戦略が必要です。
IT企業のPRと一般のPRとの違いは、専門性です。ビジネスの核となる技術はもちろん、顧客の商談プロセス、市場の構成、競合相手、パートナー企業、規制、コンプライアンスやガバナンスなどを理解する必要があります。商材が何で、どういう商流があり、どこからどう供給、購買、管理、置き換えされるのか、をまず俯瞰するのです。多くのIT企業がグローバル市場で戦うため、世界的な供給連鎖を把握することが大切です。
加えて、日本は一般のユーザー企業が自社でエンジニアを抱える比率が低く、多くの場合システム開発をシステムインテグレーター(SI)に委託するため、こうしたエンドユーザーとの間を結ぶパートナーの理解が重要です。さらにはクラウドコンピューティングを担うサービスプロバイダーも、競合であり顧客であることが多いため関係性に注意が必要です。
IT企業がPR会社の継続的なサポート、いわゆるリテイナー契約を必要とする理由は2つあります。一つは人材不足の解消、もう一つは業界を俯瞰する専門知識です。とくに少数精鋭で人件費管理が厳しい外資系IT企業では、日本独自のPR職の雇用はなかなかありません。日本法人にはマーケティング職のみ置き、 オーストラリア、シンガポール、香港などアジア太平洋の英語圏の国で1人のPR職がPR会社を取りまとめます。よって、PR職もPR会社も日々、英語で地域各国とやりとりしながらPR施策を練り、実践します。
コロナが長引く中でのITに長けたPR人材市場の傾向は、転職サイクルの短期化、若年化、国際化の3つです。まずは、リモートワークの普及によりオンライン面接がしやすくなったことにより、転職のスピードが早まっています。これに伴い、かつてよりも若年層を重要なポジションに置く意欲が、企業・求職者ともに高まっていると考えられます。そしてグローバル企業の場合は、市場の抜本的な見直しにより戦略的ロケーションが変わり、PR担当者を海外任務前提で採用するケースが見らるのです。
共同ピーアールは、創業から半世紀以上にわたる豊富な実績と、イノベーティブなIT専門人材の経験値を通じて、国内外のIT企業の支援を行っています。