ニュースバリューって難しくない!PRの悪夢を避ける方法

ニュースバリューって難しくない!PRの悪夢を避ける方法
 
 

あなたならどの順番にしますか?

ママ社員Pです。我が家では夕食時にテレビでニュースを観ています。

ある日のこと。 ニュースが、1.海外の住宅地に迷い込んだ野生動物がコミカルな動き、2.国内の有名テーマパークに新しいアトラクションが登場、3.関東某県でトラックが横転、男性一人が死亡、と続いたところ、隣にいた4才の娘が一言。

「人が死んじゃうほうが大変だから、先にやればいいのにね」

ふむ、なかなか鋭いことをいう。ニュースの順番についてこれまで彼女に話したかな、と思いたずねたところ「自分で考えた」とのことでした。本質的なことは子どもでも感覚的に分かるようです。

ワクとシャク、ゼロサム世界に生きる私たち

共同ピーアールの新入社員が、入社時研修で真っ先に教えられることは、「ニュースはゼロサムである」ということです。

新聞や雑誌であれば紙の大きさや量(私たちは「枠=ワク」といいます)、テレビには時間(こちらは「尺=シャク」)に制限がある。だから、よりニュース価値が高い情報を提供しないと扱ってもらえない。つまりニュースになるかどうかの勝ち負けがある、という意味です。インターネットやSNSでも、見てもらえるスペースは無限ではなく、常に競争が存在します。

最初は、それはニュースなんだから当たり前だろう、と思って真面目に聞いていなかったのですが、20年経ってしみじみその言葉をかみしめます。それほど私たちの職業の根幹にあるのが、ゼロサムの世界なのです。

メディアがネタ(情報)を順番に並べる、その時にワクやシャクの“境界線”の中に入るには、情報をどうやって提供したらよいか。競争に打ち勝つために、私たちPR会社社員は日々、ニュース性を探求します。

新商品や新サービスであれば、独自性、ユニークさは何なのか、世の中のトレンドにどうマッチしているか。似たようなものが世の中にないか、どんな情報を付加すればニュース価値が高まるか。そして、それはメディアの人たちに刺さるのか…。

PR経験が長くなると、ある程度勘どころが分かってきます。とはいえあいにく、メディアの中の当人にはなり変われない。ということで、メディアに概要を説明して、意見をヒアリングすることもあります。

テレビドラマのような悪夢もまれにある

しかし残念ながら、どんなに全力を尽くしても、そのメディア掲載が目標に届かないこともあります。その準備に対する投資が多ければ多いほど、 必然的にお客様の失望は大きくなります。顕著な例が芸能人を起用した会見です。ネタを考え、必死にメディア誘致をして、何とか当日を無事に迎え、大勢のメディアに取材したもらった、あとは掲載やオンエアーを待つだけ!という瞬間に大きな事件や事故が起きてしまうと、、、ゼロサム社会ではそのネタは日の目を見ません(涙)

さすがにそのような時にPR会社を責めるお客様はいませんが、お客様の「しょうがないですね」、という言葉に、「そうですね」、と思わず遠い目をして茫然としてしまう自分がいます。もちろん、取材いただいたメディアの方もさぞかし無念だろうと思うのですが。

ちなみに最悪なパターンは、会見前に事件・事故が起こり、予定されていたメディアがほとんど来場せず、広い会場が閑散として、芸能人ゲスト含め、主催者やスッタフの人数がメディアより多くなること、、、実は何度か夢に見てうなされたことがあります。

それでも心を強くして生きていく

さて、冒頭の娘のつぶやきに、PR会社に勤める親として何と答えるべきか。

影響力が大きい方が先なんだよ(あれ、テーマパークに行く人は多いけど、野生動物は?)
ニュースは同じネタでも時間帯を変えて何度も流すからね(順番と関係あるっけ?)
スポンサーに忖度する人がいるかもしれないね(いやいや、ニュースですから、ないよね)
、、、うーむ。

ママは野生動物に癒されたよ、かなあ。。。

今度作ってる人に聞いてくるね。

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