「英語が苦手」と思っていませんか?コロナ禍の長期化に伴い、世界のあちらこちらでデジタルPR強化による事業のテコ入れが盛んです。もはや物理的に来日せずとも日本市場でビジネスができる時代。逆もしかりで、英語が使えればほぼどの国とも仕事ができます。そんなPR会社、 PRプロフェッショナルが重宝する、英語お助けツールを紹介します。
英語苦を解消する三種の神器
DeepL https://www.deepl.com/ja/translator
DeepLはドイツで創業、2017年にサービス開始した人工知能(ニューラルネットワーク)を活用した自動翻訳ツール。今年3月に日本語が追加され、ビジネスパーソンの間で爆発的な人気を博しています。
使い方は2種類、ブラウザ上にテキストを入力するか、WordもしくはPowerPointファイルをアップロードするか。 無料版では、テキスト入力の上限が英語5000文字まで、ファイルはダウンロード後に編集できないなどの機能制限があります。
英語版はこの8月からアメリカ英語・イギリス英語いずれにも対応。日本語以外にフランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、オランダ語、ポーランド語、ロシア語、中国語にも対応しています。 これまでの検索エンジン系の自動翻訳よりもはるかにスムーズな上、Lingueeの辞書機能もあります。
注意点は、あたり前と言えばあたり前ですが、人間の精査が必要なこと。固有名詞のスペルミス、不自然な句読点、同じ言葉の繰り返しなどが生じるからです。とはいえ、これまで人間が「翻訳」して時間もおカネもかかっていたことを考えると、コストゼロ、デスクトップで完了する翻訳の「精査」を人間が担当するほうがはるかに生産的。
「まぁ機械翻訳だからねー」と言える点も、誤訳のイライラを無くしてチームワーク向上につながります。
PR会社の現場では即戦力ツールとして使えますが、人によっては翻訳業者に外注したり、自分で一から翻訳するほうが良いという声も。好みに応じて使分けましょう。
Grammarly https://app.grammarly.com/
2009年アメリカ創業のGrammarlyは、人工知能(自然言語処理)による英語作文支援サービスです。Microsoft Office®のアドインツールとして利用が広がりました。英語はアメリカ英語、カナダ英語、イギリス英語、オーストラリア英語から選べます。
日英翻訳に使う場合、まずサイトにログイン。Facebook、Google、Appleのアカウントから自動ログインが可能、email登録でもログインできます。
そしてブラウザー上にテキスト入力し、想定読者、フォーマルさ、分野(無償版の場合)を指定してクリックすると、スペルミスや文法の誤りを修正し、英語の正確さ、明瞭さ、訴求力、伝わり方を評価してくれます。 有償版 ではより細かい設定や編集が可能です。
上述のDeepLとGrammarlyがあれば、「英語が苦手」という人でも自分の言葉があっという前にそれらしい英語になり、快感です。
ただし、無償版では固有名詞の判別は難しく、言葉選びや句読点の使い方など個々人の好みは反映されません。どのAIツールとも同様に、やはり人間の見直し、手直しが世に出すPR文を作る前提です。
また、Grammarlyが完璧に仕上げた英語でも、伝える人の信用、信頼がなければ伝わりません。機械が作ってくれた文章に、人間味を加える必要があります。
Otter.ai https://otter.ai/
2018年シリコンバレーでサービス開始した英語音声認識AIサービスOtter.aiは、今年1月のNTTドコモ・ベンチャーズからの出資を機に一気に広まりました。PCまたはスマートフォンアプリから、Google、Microsoft、Appleアカウントからの自動ログインかemail登録でログインします。
イベント、会議、取材などを録音すると、音声を文字起こししてくれます。無償版は録音が月600時間、1回40分が上限です。データの共有はもちろん、写真やスライドを挿入して資料作成のスピードアップなど、コラボレーションに役立ちます。
Otter.ai は、生の英語の壁を低くしてます。リスニングが難しい場合でも、 Otter.aiがリアルタイムで書き起こす文字を目で追えるため、会話に追いつけます。
話者が一人であれば、 膨大な時間がかかる音源聞き直しからの文字起こしが不要になります。Otter.aiがあらかじめ音からテキストを生成するので、人間が精査するだけでスクリプト制作が可能です。
注意点は、複数人の会話では、誰が話しているかの切れ目を完全に捉えるのは難しいこと。この場合は、リアルタイムでメモを打ちながら文字で記録し、Otter.aiデータを事後の確認メモとして参照すると、効率的に時間短縮できます。
Otter.aiもやはり固有名詞や個人の癖を判別できず、また 自然かつ大胆に間違えることがあります。データ利用時は人間のチェックが不可欠です。
Otter.aiグイン画面(2020年10月現在のUI)
以上、コロナとともに身近になる世界、英語を最大限に活用する英語ツール、ぜひまずは触ってみましょう。
「皆が使っている」と聞くと自分が遅れているようで気が引けますが、使ってみたら感激します。
ぜひ苦手意識克服、自分に自信をつけるためにも、便利ツールを味方につけましょう。
共同ピーアールは、世界のPRプロフェッショナルを支援しています。
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