共同ピーアールが加盟する日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)にて、PR Professionals Meeting 2020が開催されました。テーマは「10年後のPR産業を考える」。ピックアップ・ダイジェストをお届けします。
多様性がないと変化できない
キーノートは下記登壇者によるディスカッション。参加者は約7割がPR会社でした。
(株)ベクトル 取締役副社長 吉柳さおり氏
広島市立大学 広島平和研究所 准教授 河炅珍氏
(株)グローコム コミュニケーション・ストラテジスト 岡本純子氏
モデレーター: (株)PR Table 取締役 菅原弘暁氏
ここでは主に
パブリシティ獲得一辺倒で戦略なしの広報は終わった。 一方的な発信から対話型のコミュニケーションへ。
共感力、マネジメント力、社会課題を見出すジャーナリズムの視点が必要。
アメリカだけでなくさまざまな移民国家から学び、日本の地域を支えるアジアの研修生の多様な人種に光を当て、日本なりにダイバーシティを学習することが必要。
といった議論がありました。
質問が上がったPR現場における多様性については、
個の力が求められるPR業界は多様性があるのではないか
という見方がある一方、
PR会社でもボードルーム(取締役会)にいる女性は少ない
という指摘も。
新しいメディア、新しいコミュニケーションを議論する中で、「多様性がないと変化できない」という発言もありました。
議論は拙稿の「Will PR Firms Disappear」(2015年)スライドと同期している、と感じました。PESOによる多メディア化を経て、これからPR会社もダイバーシティを意識的に高める取り組みが一層求められるでしょう。
管理ではなくコミュニケーション
「優秀なPRパーソンを惹きつけ、育て、支える ~ PR会社の管理部門が果たす役割とは?」には下記3名が登壇。
(株)サニーサイドアップ 取締役CBO 松本理永氏
(株)プラップジャパン 管理部人事課/経営企画室 小林 舞氏
モデレーター: 共同ピーアール(株) 高木亮太
各社が、いかに企業理念を言葉、形、イベントにし、社員を採用、育成、支援しているか。様々な施策や考えが共有されました。
PR会社というPRプロフェッショナルが集まる特殊な環境で、個々の社員の力を借りながら自社のブランディングを推進することで、企業の成長と働く一人ひとりの充実につながる取り組みが紹介されました。
質問があった「管理部門、という社員管理の考え、施策、言葉をどう思うか」という問いに、「管理ができない人にはありがたがられるのが”管理”だが、組織が必要なのは、高圧的な管理ではなくつながるコミュニケーション」という声が上がりました。
まさに、 「自分から」「好きだから」社員が動き、幸せを感じられる新しい働き方が求められていることを示していました。
参考:
ニューノーマルで人気の幸福学
日本経済新聞 メディア多様化時代の広告・広報戦略
Will PR Firms Disappear