取材対応のPRノウハウ(中)

取材対応のPRノウハウ(中)
 
 

あなたが広報担当者として、マスコミなどから取材依頼を受けた時、何をどうしたらよいでしょう。前回に続き、報道取材を受けるためのポイントを紹介します。ここでは、判断基準を押さえます。

落ち着いたら、判断する

取材依頼への初動対応がすみ、手短に相手を知ることができたら、取材を受けるかを判断します。そのためには、まず取材企画の理解が必要です。

具体的にどの枠(欄、ページ、放送時間など)にいつどのような趣旨で、どのようなことが取り上げられるのか。自社だけを特定の切り口で取り上げるのか、他社も含む業界やトレンドの取材なのかを知りましょう。

取材の際の質問は、ただ待つだけではなく積極的にもらいにいきましょう。取材者の文脈に沿って関連するトピックを提案したりして、一緒に考えながら確認すると建設的でスムーズです。第一、取材が楽しくなります。

情報が集まる広報人に

企画を把握できたら、受けられるか、話せる者がいるかを考えます。そして、その「報道による自社への影響」と、「自社が報道されることによる社会への影響」の両方を視野に入れながら、取材者と良い関係を築けるよう取材後のフォローも段取ります。

取材後に買収、倒産、転職などで事情が変わり、報道に影響することがないか、社内の情報にアンテナを張っておきましょう。 ひとは、好きな人には積極的に情報共有してくれます。だからこそ、 取材後に「聞いてなかった~!」と情報修正に追われることがないよう、情報が集まる❝良き広報人❞であることを心がけましょう。

取材=報道ではない

何をなぜ伝えるか、取材の意図は、報道機関である取材者が決めるものです。広報は、その意図をくみ、あくまでも伝えてもらうために取材を受けるのが役目です。報道機関と自社をつなぐ役割として、取材者と話し手を尊重し、自社と関係者各位(ステークホルダー)の事情、関係性をよく考えて調整しましょう。

さまざまな部署、担当者の考えは往々にして違います。広報は、会社として何をどう伝えられるかの落としどころを探しましょう。また、取材を受けたからといって必ず報道されるわけではないことを心得ましょう。

良い取材者は情報網羅の達人です。 もし取材を受けても社名がでなかったとしても、社外とのネットワークづくりに役立ちます。それに、社内の意見を集約でき、取材スキルが上がったら、記事や放送の有無に関わらず、広報としての価値が生まれます。もちろん、見事に狙いどおりの記事・放送が出たら最高です。

ファクトチェックとクリッピング

記事などが公開される前に、事実確認(ファクトチェック)ができるか、取材者に聞いてみましょう。媒体によりできるかどうか、異なります。

また、会員限定公開の記事や放送の場合などは、掲載のあかつきに共有してもらえるかを確認しましょう。記事なら日経テレコンなど、放送ならTVでた蔵 などの検索サービスで露出を調べ、モニタリング会社などを使って記事・放送を記録(クリッピング)できます。そのための予算確保も忘れずに。

取材前の確認事項(報道機関との調整)取材前の確認事項(社内)
どこに、いつ、どのように取り上げられるか
・事実確認(ファクトチェック)は可能か
・記事は公開されるか、共有してもらえるか
 
・自社とステークホルダーへの影響
・取材に答えるのが適切か、話し手がいるか
・掲載クリッピングの手配

は、取材を受ける際の資料作りと事後フォローについてまとめます。

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