今年度、自分が親として、息子の小学校「PTA広報」担当に就きました。
これまで20年以上、プロとしても、プロボノ(=仕事のスキルを使ったボランティア)としても、さまざまな広報に従事してきました。少しはわかったつもりでいたら、世界は広い。「PTA広報」は、広報紙づくりに特化していて、新しい学びがありました。
PTAって何ですか?
まずはPTAの解説から。PTA は、ざっくり言うと保護者と先生の協会。保護者と先生で構成される、社会教育法上の「社会教育関連団体」です。戦後日本の“民主化”のため、文部省(現・文部科学省)のもと71年前に発足しました。PTAは ”Parent-Teacher Association”の頭文字です。
なぜPTAがあるのでしょう?学校での教育や、家庭での教育とならんで、地域とともに取り組む「社会教育」や、保護者・先生自身の「成人教育」を推進するためです。
どういった組織でしょう。各学校のPTA(単位PTA)と、単位PTAが集まった市町村・都道府県・全国の各レベルのPTA連合体によって、全国組織化されています。
PTAは世界にもあるのでしょうか。日本へはアメリカから紹介されました。同様の取り組みは世界各国にあります。
(参考:日本PTA全国協議会 はじめましてPTA)
面白がる会
わたしが参加した小学校PTAの広報担当の仕事も、「広報紙づくり」でした。他校のことも知ろうと思い、全国600名超のメンバーを数えるFacebookグループ「PTAを面白がる会」に参加。”PTA広報”についての実態をヒアリングしたところ、やはりどこも活動は異口同音に、「広報紙の発行」。
そしてわかったのは、
「PTA広報は、仕事が少なくて楽」
「定型だからIT化、デジタル化できて楽」
「子どもの写真を優先的に撮れるから良い」
といった広報の人気の理由でした。
広報紙づくりは楽しい
広報紙づくりは、取材する相手を理解するきっかけを作り、メディアの力に触れ、記事というコンテンツを作る楽しみを生み、学校や地域とのつながりを強くします。
わたしが参加したPTA広報紙の場合は、まずは従来のやり方を真似ながら、クラウド利用の環境整備を進めてデジタル化を加速。業務分担は、いったん決めたものを各人のペースにあわせて随時見直し。わたしも海外出張の際は「バトンタッチお願いします~!」と声を上げました。
ふだんの仕事でクラウドツールの広報を担当していたので、実際のユーザー体験をできるのは非常に良い機会でした。かつ、自分が普通と思っていることが他の人にとってはそうでない、ということが、クラウドツールの使い方ひとつをとってもよく分かりました。
子どもに誇れる仕事
長年の広報人として、年3回の広報紙づくりを経て嬉しかったのは、日々、広報とは関係ない仕事をしている人々が、自分が取材したイベント、撮った写真がメディアの上で輝き出すのを見つける瞬間。文章やレイアウトに心をこめることで、情報に魂が入るのを見て「すごい~!!」と喜ぶ声を聞くのは、とても幸せな時間でした。
そしてそれを配布した後、街中で見て子どもに「ほら~、あれ、ママがつくった広報紙~」と言えるのはとても誇らしいもの。PTA広報紙が、学校と家庭と地域をつなげている、と実感しました。
※本稿は「PTAを面白がる会」その他有志のご協力を得て執筆しました。